新築住宅でおしゃれなクロスを選ぶための5つのポイント
せっかく新築住宅を建てるなら、おしゃれで快適な内装にしたいですよね。インテリアで面積を大きく占めるのが壁紙。部屋のイメージを左右するため、色や柄の好みはもちろん、機能やお手入れのしやすさにも着目して選びましょう。今回は新築住宅でクロスを選ぶときの5つのポイントを解説します。
【ポイント1】お部屋の完成形をイメージする
まずは、どのような部屋にしたいかを想像しましょう。部屋での過ごし方、家具や家電、雑貨など自分のライフスタイルに合わせてインテリアを決めると統一感が出ます。
【ポイント2】壁紙の種類を知る
壁紙の種類や機能などを知れれば、快適で理想的な住環境になります。汚れ防止や消臭、吸放湿などお部屋の用途やイメージに合わせて壁紙を選びましょう。
ビニールクロス
ポリ塩化ビニール樹脂を主原料とし、ビニールシートに紙などを裏打ちした壁紙です。新築住宅の壁紙でよく使われています。
・汚れが拭き取りやすく毎日のお手入れが簡単
・デザインや色が豊富なのでリビングやトイレなど各部屋のイメージに合ったものが選べる
・量産型のビニールクロスを使用すればコストを抑えられる
・通気性がないのでカビや結露が発生しやすい
オレフィンクロス
オレフィンクロスは、ポリエチレンやポリプロピレンなど合成樹脂を原料とした壁紙です。
・ビニールクロスのように汚れに強く、水拭きできる
・焼却時に有毒ガスがほとんど発生しないので、環境にも優しい
・ただ他のクロスに比べ薄く、継ぎ目や下地が目立つ可能性あり
織物クロス
織物クロスは、織物や編物、不織布やフェルトなどを紙で裏打ちした壁紙です。独特のボリューム感や風合い、ソフトな感触など質感が魅力的です。
・高級感、重厚感がある
・調湿性、通気性に優れているので結露しにくい
・ホコリが吸着しやすい
紙クロス
紙クロスは、大きく3つに分類できます。
・洋紙クロス
・和紙クロス
・非木材紙のクロス
紙クロスは音を吸収し、空気を通すメリットがあります。和紙のクロスは柔らかい印象に、洋紙クロスは鮮やかな雰囲気を演出できるでしょう。下処理を怠ると、下地が出たり時間の経過によって膨張・収縮する可能性があります。
木質系クロス
木質系は、銘木シートとコルクシートの2タイプあります。薄くスライスした天然木やコルクに、紙やアルミを裏打ちした壁紙です。
・カントリー調や温もりのある空間にしたい人におすすめ
・腰壁として使用すると、空間がスタイリッシュになる
・他のクロスに比べると高額になりがち
珪藻土クロス
植物プランクトンの化石である珪藻土は、お風呂のマットでもおなじみですよね。
・手触りが気持ちよく、味わいのある風合いや質感が魅力的
・調湿性や消臭効果に優れている
・水拭きするとシミになるので注意が必要
・ビニールクロスより下地に追従する力が弱いため、下の壁の凹凸やクロスの継ぎ目が目立つ可能性あり
【ポイント3】広い面積のクロスは床やドアとの相性を考える
床材やドアの色調と合わせて基本色を考えると、自分のイメージ通りの部屋に近づけます。
(例)
・モダンでシックな印象の部屋にしたい
無彩色もしくはこげ茶の床+グレー系の壁紙
・ナチュラルな印象の部屋にしたい
黄・赤系の床+ベージュ系の壁紙
また床→壁→天井の順に、上に行くほど明るくすると、天井が高く広く感じられる部屋になります。落ち着いた空間にしたいなら、天井を一段暗くするのがおすすめです。
【ポイント4】アクセントクロスを効果的に使う
アクセントクロスを効果的に使うと、部屋の雰囲気が変わります。壁の一部に異なる色、柄を壁紙に取り入れてみましょう。
アクセントクロスを取り入れる際は、部屋の壁全体の2~3割までが目安です。もし部屋に4面の壁があるなら、1面程度まで。
また選ぶ面はできるだけ窓や建具、ドアノブなど壁紙の面積が狭くなるものより、平らな一面に貼ると良いでしょう。
【ポイント5】機能性クロスを取り入れる
新築住宅を建てるなら、快適な住環境を実現できるよう機能性に優れたクロスを使うのがおすすめです。
汚れや傷に強いクロス
フィルム汚れ防止壁紙やウレタンコート壁紙は、ビニールクロスより表面が強く、傷が付きにくいので安心して使用できます。また汚れも拭き取りやすく、毎日のお手入れが簡単なのも魅力的です。
ハードストレッチ壁紙は、壁紙に表面強度とストレッチ性をプラスしています。傷に強く、ひび割れを軽減します。表面には撥水コートが施されているので、汚れも拭き取りやすいです。
室内環境を快適にするクロス
花粉症やアレルギーに悩む人は少なくありません。抗ウイルス壁紙や抗アレル壁紙を使用すると良いでしょう。
抗ウイルス壁紙はウイルスだけでなく、細菌の増殖も抑制します。抗アレル壁紙は、壁紙に接触したスギ花粉やダニの糞などアレルギー症状を引き起こすアレルゲン物質の働きを低減させます。
カビや結露を防ぐクロス
吸放湿壁紙や通気性壁紙を使用するとカビや結露を防げます。
吸放湿壁紙は室内の湿気をコントロールします。紙おむつにも使用されている吸水性ポリマー素材を使用した壁紙です。湿度が高い時は湿気を吸収し、乾燥している時は湿気を放出させます。
通気性壁紙は、水蒸気が壁紙を通過して室内と下地とを行き来し、空気の通り道をつくります。湿度はもちろん、ニオイも逃すのです。通気性壁紙そのものには吸湿性はありません。壁の下地に調湿性のある石膏ボードを合わせて使用するのがおすすめです。
まとめ
新築住宅を建てる機会は一生のうちに何度も訪れるものではありません。だからこそ後悔しないクロス選びが大切です。
デザインや費用を気にしがちですが、機能性や健康面も考慮すると良いでしょう。