新築住宅の収納計画で失敗しない3つのポイント
すっきり暮らしたいと思っている人。大切なものは全部とっておきたい、でも物であふれるは嫌と思っている人。そんな方の家づくりで重要なのは、収納計画です。設計段階からライフスタイルに合わせた収納計画を立てるには、どのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。今回は、新築住宅の収納計画で失敗しない3つのポイントをお伝えします。
【ポイント1】必要な収納スペースの目安を知る
まず、考えるのは「今持っている物を収納するために、どれくらいのスペースが必要なのか?」ということです。今持っている物だけでなく、将来のことまで頭にいれておくのがポイント。やみくもに収納スペースをつくるだけだと「収納が多すぎて居住スペースが狭い」「子どもの成長に伴って片付かなくなってくる」など困った状況になってしまいます。
収納率とは?
必要な収納スペース(押し入れ・クローゼットなど)の広さをざっくりと把握する方法として「収納率」という数字があります。
収納はあればあるほど安心と思ってしまいがちですが、家の面積には限りがあるため、収納を増やせば居住スペースがその分減ることになります。そのため、何を1番優先したいのかを考えておくことも大切です。
収納率の計算方法
収納率を出すには、次のような計算式を使用します。
収納面積は、押し入れ・クローゼットなど高さのある収納を合計します。つり戸棚や靴箱、キャビネットなど高さのない収納は、計算に含まないのが一般的です。
自分で計算するのは難しいという方は、図面からも収納率を計算できるので、住宅メーカー担当者に計算してもらうのも1つの方法です。
収納率の目安
家族構成やライフスタイルにもよりますが、戸建住宅で理想とされている収納率の目安は約10~12%と言われています。
仮に延べ床面積30坪の家であれば、約3~4坪(約6~8帖分)の広さの収納をつくる計算になりますね。例えば「玄関収納1.5帖+廊下収納1帖+パントリー1帖+主寝室のクローゼット2帖+子供部屋のクローゼット0.5帖×2=6.5帖」のようなイメージです。
ただし何度も言っているように、これはあくまでも一つの目安。次にご紹介する「持ち物の量を把握する」というステップで、ご自身の生活に合わせた収納量を知ることが大切です。
【ポイント2】持ち物の量を把握する
今、どれくらいの物を持っているかすぐに言える人は少ないのではないでしょうか?新築住宅の収納計画を立てる際には「自分がどれくらいの物を持っているのか?」「何が必要で捨てることができない物なのか?」を把握しておきましょう。
現在の持ち物を整理して量を把握
まず、今持っているものを一度整理し、必要なものをピックアップしていきます。引っ越しの際に処分するもの、新しい家に持っていくものを明確に。引っ越しは物を手放すには最適な機会です。
新築住宅を建て引っ越しをする方の多くは、今現在住んでいる家よりも居住スペースが広くなることが多いですよね。「次の家は広くなるから、あれもこれも持っていこう」では、新しい家ですっきり暮らすのは難しいかもしれません。
将来的に必要になる物をリストアップ
今手元にはないけれど、先々必ず増えるものもリストアップしておきましょう。将来、子どもができた時に使用するもの、新居用に購入するものはないでしょうか?将来まで見越して収納をつくることで「収納が足りない!」となることを防ぎます。
どこに収納するか決める
「物に住所を決めると部屋が散らからない」という話を聞いたことはありませんか?どこに何を収納するかを決めて、物を定位置に戻すことを習慣化。そうすれば部屋も散らからず、物がないと探す時間もなくなるのでいいことづくめです。
また、必ず同じ場所にあるので買いなおす手間や無駄なお金を使わなくてすみます。どこに何を収納するかを決めることによって、新築住宅であれば今から考える収納の高さや奥行きなどを決めることができ、使いやすい家づくりを行うことができます。
【ポイント3】使い勝手のいい収納にする
せっかく作った収納も高さや奥行きが、収納するものにあっていなければ使いにくく無駄なスペースが生まれてしまうことがあります。ここからは、使い勝手の良い収納のポイントをみていきましょう。
使いやすい高さ
使いやすい高さは、使う人の身長によって多少の違いが生まれてきます。子ども部屋や大人用の寝室など、明確な使用用途がわかっている場合にはそれに合わせた高さにするのがおすすめです。
・物を出し入れできる上限:199cm
・引き出しの高さの上限:144cm
・使いやすい棚の高さ:128cm
使いやすい奥行き
使いやすい奥行きは収納するものによって変わってきます。
・文庫本、化粧品、トイレットペーパー:15cm程度
・食器、調理器具:35cm程度
・洋服:45cm程度
・布団:90cm程度
使いやすい収納方法
せっかく収納をつくっても、片付けにくかったり、ものを取り出しにくかったりすると使わなくなってしまい空間を無駄遣いしてしまうことに。
例えば、寝室の収納ならクローゼットも兼ねて、ハンガーラックを設置したり、中の物が見えないように扉をつけたり。各部屋ごとに使いやすい収納方法を考え、それをいかした収納計画を立てましょう。
まとめ
今回は収納計画で失敗しないポイントについてお伝えしました。収納スペースの目安を知り、持ち物の量を把握した上で、使い勝手の良い収納を作っていきたいですね。