ひと昔前までは当たり前だった両親との同居。二世帯住宅にするとなるとお互いの生活スタイルや介護の問題など考えることがたくさんありますよね。

そこで今回は、二世帯住宅のメリット・デメリットや間取りの種類、二世帯住宅を建てるときのポイントをお伝えします。

二世帯住宅のメリット・デメリット

まずは二世帯住宅のメリットとデメリットについてです。

メリット

二世帯住宅のメリットとして考えられるのは経済的な点です。2つの家族が賃貸で別々に家賃を支払って住んだり、それぞれに家を購入したりするより、断然安くすみます。また、電気・ガス・水道などの光熱費もまとめることで割安になります。

さらに、二世帯住宅は経済的メリットだけではなく、精神的なメリットもあります。共働き世帯の場合は子どもの急な発熱やケガの対応に困ることもあるでしょう。そのようなときに助けてくれる家族が同居しているのはとても安心です。緊急事態ではなくても、保育園の送迎や下校後のお世話をお願いすることもできますね。

デメリット

二世帯住宅にはデメリットもあります。トラブルになる可能性として高いのは、ライフスタイルや価値観の違いから生じるものではないでしょうか。世代の異なる二世帯が同居するため、食事や就寝時間などのライフスタイルや子育て方針などの価値観の違いはトラブルの原因になりがちです。

また、プライバシーの確保がしにくくなるのではないかと不安に感じる方もいらっしゃいます。

二世帯住宅の間取りの種類

二世帯住宅の間取りの種類は「完全同居型」「完全分離型」「一部共有型」の3種類があります。それぞれ分けてご紹介します。

完全同居型

完全同居型の特徴は玄関から水回り、リビングルームまでほぼすべてのスペースを共有する間取りになっていることです。通常の一戸建て住宅なので建築費用が抑えられます。また、将来一世帯となってもそのまま不便なく住み続けられる点はメリットでしょう。

しかし、生活スタイルの違いによるトラブルが起こる可能性があったり、プライバシーの確保が難しいためストレスを感じたりすることも考えられます。

完全分離型

完全分離型は玄関、キッチン、お風呂などが2つずつ設置されたお互いのプライベートを守れる設計になっています。間取りについては左右で分ける縦割りパターンと上下で分ける横割りパターンがありますが、いずれも各世帯のライフスタイルを重視できるつくりにできます。

玄関や水回りなどの設備が2つずつ必要なので広い敷地が必要となり、建築コストが高くなる傾向があるのはデメリットです。また、分離しているぶん両世帯が疎遠になってしまいがちなので、交流できる時間を持てるよう意識して時間をつくることも必要になるでしょう。建物内にお互いの家を行き来できるドアを設置する方法もあります。

部分共有型

部分共有型は玄関は1つでキッチンやお風呂など水回りは一部共有するスタイルです。各世帯でどの部分を共有にするのか話し合って決められます。完全分離型ほど広い敷地が必要になることはなく、効率よくスペースを利用できるのが特徴です。共有部分で顔を合わせることで家族同士が交流でき、プライバシーも保てるのでほどよい距離感でいられるでしょう。

デメリットとしては、共有スペースをどの部分にするかで間取りのプランに制約が出てしまうことや、完全同居型に比較して建築費用が高くなりがちな点です。

 

新築で二世帯住宅を建てるときのポイント

新築で二世帯住宅を建てるときは、2つの家族それぞれがストレスなく暮らせるよう間取りをしっかり検討する必要があります。のちのトラブルにつながらないよう、検討すべきポイントを3つお伝えしますので参考にしてください。

親世帯と子世帯の生活スタイルを確認する

世代の違う親世帯と子世帯は生活スタイルが違うことが多いでしょう。生活スタイルが大きく違う二世帯が完全同居型の住宅を選択するとトラブルにつながりかねません。

住まいの設計前に起床時間や就寝時間、食事の時間など生活時間を確認しお互いにとってベストな形を模索してみましょう。

適度な距離感をとれるように配慮する

二世帯の距離感が近すぎるためにトラブルに発展することはよくある話です。特に個室以外のスペースを共有する完全同居型の住宅を選んだ場合には配慮が必要です。

二世帯住宅に限らず、誰かと暮らすときには適度な距離感がほしいと感じるもの。最初に生活スタイルについての情報共有をすることでほどよい距離感を探ってみましょう。

バリアフリー化や介護のしやすさも意識

二世帯住宅を検討する理由として、親世代の高齢化を挙げられる方もいらっしゃいます。親世代が生活しやすいよう床の段差はなくす、階段に手すりを設置するなどバリアフリーに対応した住まいにすることも検討すべきでしょう。

また将来的に介護が必要になったケースを想定し、介護用ベッドや車いすなどが置ける広めの居室をつくることや、介護サービスを受けやすい生活動線など間取りを工夫する必要もありそうです。

 

まとめ

新築で二世帯住宅を建てるときの間取りの種類や検討すべきポイントについてお伝えしました。二世帯住宅にすることで得られるメリットはたくさんあります。2つの家族が快適に暮らせる住まいになるようしっかり検討したいですね。

わからないことや迷うことがあるときには、二世帯住宅を建てた実績のある住宅メーカーに相談することをおすすめします。