中庭がほしい!新築住宅でのプランニングのポイントは?
参考/LIXIL
中庭とはコの字型やロの字型の建物などで囲まれたプライバシー性のある庭です。いろいろな使い道があり、家の魅力をぐんと増してくれます。「中庭にあこがれる」「どんな使い方があるの?」「メンテナンスは大変かしら」そんな疑問をもつ方に、中庭のメリット・デメリットやプランニングのポイントをお伝えします。
新築住宅に中庭をつくるメリット
中庭をつくると採光や通風がとれ、家が開放感のあるリラックス空間になるでしょう。中庭をつくるメリットを詳しく紹介します。
北側の部屋にも光が入りやすくなる
中庭部分の窓からも光をとりこめるため、北側の部屋にも光が入りやすいです。昼間から照明をつけたり、ひんやり寒くなったりするのを防げます。ひなたぼっこできる明るい部屋が増えるのはうれしいですよね。
風の通り道を確保できる
一部屋に窓を2ヶ所つくると、風が抜けやすくなります。中庭があると2面以上に窓をつくりやすく、採風性がアップするというメリットもあります。
たとえば南面に一つ窓をつくったとして、普通は廊下や水回りになっている北面に窓はつくれませんよね。しかし中庭があれば、南面と北面の両方に窓がつけられます。二ヶ所の窓からスムーズに風が抜ける家は、空気がよどまず爽やかです。
プライベートな外部空間をつくれる
外にプライベート空間をつくれるのも中庭のメリットです。通行人や隣の家から見えないかたちで洗濯物を干すことができます。また子どもを外で遊ばせるとき、道路に飛び出す心配がありません。中庭にプールを出せば、外から子どもの水着姿を見られず安心でしょう。オープンな庭より侵入者が入りにくく、常に外を気にする必要がないのでリラックスして過ごせます。
開放感のある空間づくりができる
中庭があると開放感のある空間づくりができます。中庭の窓から外の様子が見え、自然がより身近に感じられるでしょう。また中庭の向こう側の部屋・廊下まで視線が抜け、空間が広く見えます。
新築住宅に中庭をつくるデメリット
やはりデメリットが気になりますよね。デメリットは敷地面積が必要、コスト面、外気の影響、メンテナンスの手間です。詳しく紹介します。
敷地面積にゆとりが必要
中庭をつければ家がその分大きくなるので、敷地面積にゆとりが必要です。家のサイズを変えないとすると、5畳分の中庭ならおよそ一部屋分居住スペースを狭くするしかありません。土地が狭く広い中庭をつくるのが難しければ、小さい坪庭をつくって採光をとる方法もあります。
建築コストが高くなりやすい
建築コストが高くなりやすいのもデメリットです。ロの字型、コの字型の家は形が複雑になりがち。外壁や窓が増えるぶん、材料費がかさみます。長方形のシンプルな家より設計面、施工の手間の面からもコストが上がりがちです。希望とコスト面のバランスをとることが必要でしょう。
外気の影響を受けやすい
中庭があると外と触れあう面積が増えるため、外気の影響を受けやすくなります。熱の逃げやすい窓が増えることも要因です。床・壁・天井に断熱材を入れる、窓は断熱性の高いサッシを使うなどの工夫が必要になります。性能とコストとのバランスも考えなくてはなりません。
メンテナンスの手間がかかる
中庭は外部の自然環境にさらされるため、メンテナンスの手間がかかります。日常のお手入れとしては、ほこりや土を掃除する、排水溝の木の葉やごみをとる、窓の掃除などです。長期的には外壁のメンテナンスをするとき、中庭に接している外壁も一緒にメンテナンスする必要があります。
中庭がある家のプランニングのポイント
中庭のプランニングを成功させるポイントは、中庭のさらなる魅力を知り、生活のしやすさとの心地よいバランスを考えることです。ぜひお役立てください。
中庭の用途を考える
中庭への漠然としたあこがれだけでなく、具体的な用途を考えてみましょう。中庭の活用法としては、ガーデニング、植物の観賞、子どもの遊び場、ティータイムのスペースなどが考えられます。
どのような用途に使いたいかによって、中庭の素材も決まります。たとえば石、土、タイル、芝生、ウッドデッキなど。草むしりや掃除ができるかも考慮にいれつつ、リアルな中庭ライフをイメージしましょう。
生活動線を考慮する
中庭をつくるなら、生活動線を考慮しましょう。たとえばキッチンと洗面所が中庭をはさんで反対側にあるとどうでしょうか?料理しながら洗濯機をまわしたいとき、ぐるりと中庭を回らなければならずストレスになりますよね。
せっかくの中庭が、動線を分断する存在になってはいけません。中庭の良さを活かせるよう、毎日の暮らしをイメージして間取りを検討しましょう。
外と内をつなげる
中庭の醍醐味といえば外と内がつながる一体感です。もし室内と中庭に大きな段差があると、外へ出るのが億劫になってしまいますよね。なるべく段差は少なくフラットにすると、気が向いたときにサッと中庭にでられます。
また開口部の幅いっぱいに開けられる「フルオープンサッシ」にするのもおすすめ。より視界がひらけ、開放的に感じられるでしょう。
排水やメンテナンス性を考える
中庭で気をつけたいのは雨水の行き先です。水はけが悪いと湿気がたまり植物や家によくありません。とくに「ロの字型」の場合は一気に雨水がたまることもあるので、より排水の計画に気をつけましょう。
排水管のつまりを防ぐために排水溝の掃除をしたり、落ち葉を掃いたりするのが負担ではないか、長い目で見てお手入れを楽しめそうかを考え、素材やデザインを決めます。
まとめ
中庭のメリット・デメリット、プランニングのポイントをお伝えしました。中庭がある家でどんな暮らしをしたいですか。さまざまな制約を乗り越え、中庭がほしい!という夢をぜひ叶えてくださいね。