新築住宅に太陽光発電はつける?メリット・デメリット
売電収入が得られて地球環境にやさしいと注目されている太陽光発電。新築住宅を購入するにあたって、太陽光発電の設置を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、新築住宅に太陽光発電をつけるメリット・デメリットについてお伝えします。
太陽光発電システムとは?
太陽光発電をつけるメリット・デメリットの前に、太陽光発電システムとは何かについて説明します。太陽光発電システムとは、太陽光をエネルギー源とした発電システム。国が目指す「カーボンニュートラル」な社会に向けて期待が集まっています。風力や水力発電とは違って、設備さえあれば場所を選ばず活用でき、導入コストが安いのも魅力です。
システムには太陽光パネルのほかにパワーコンディショナーという機械も必要です。太陽光パネルで発電した電力はそのままでは家庭では使えないので、パワーコンディショナーで家庭で使えるように変換します。住宅用の太陽光発電システムは10kW未満がスタンダード。費用は設置枚数や工期で変わってきます。
新築住宅に太陽光発電をつけるメリット
新築住宅に太陽光発電をつけるメリットについて、具体的にみていきましょう。
電気代が削減できる
多くの方が太陽光発電のメリットとして思い浮かべるのが「電気代が節約できること」ではないでしょうか。太陽光発電システムで発電した電力を自宅で使用できるため、電気代を削減できるのは太陽光発電をつける大きなメリットです。
どの程度電気代が削減できるかというのは設置条件や使用状況によりますので一概にはいえませんが、10~20%ほど減るケースが多いようです。
売電収入が得られる
太陽光発電をつけると売電収入が得られます。発電した電力は設置から10年間固定価格買取制度(FIT制度)が適用され、余った電力を電力会社に売って収入を得られるしくみです。FIT制度は再生可能エネルギーを電力会社が一定期間、一定額で買い取ることを国が約束するもの。買取価格は国によって決められており、2021年度は19円/kWhです。
太陽光発電システムを設置して10年たつと売電価格や条件は変わりますが(卒FIT)、余った電力を電力会社に売り続けることはできます。
停電時も電気を使える
停電時に電気を使えるのも大きなメリットです。昼間は発電した電力をそのまま自家消費できますが、夜間の電力も確保するなら蓄電池が必要になります。
蓄電池は非常用電源として活用するほか、電気代の安い夜間に電気を充電しておいて昼間に使うことで、電気代の節約にもつながりますよ。
地球環境にやさしい
太陽光発電をした電力を使用することで一次エネルギーの使用量削減につながります。国が提唱するカーボンニュートラルに近づき、地球環境の保全にもつながります。
次世代に引き継げる地球環境を意識することも、大人世代に必要なことといえるのではないでしょうか。
新築住宅に太陽光発電をつけるデメリット
一方で太陽光発電をつけるのはデメリットもあります。3つお伝えしていきますので参考にされてください。
初期費用がかかる
太陽光発電をつけるには初期費用がかかります。調達価格等算定委員会の「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」資料によりますと、新築住宅に設置する場合の費用は2020年平均28.6万円/kWとなっています。
しかしながら平均的な導入コストは年々安くなる傾向にあり、2019年に比べると0.7万円/kW、2018年より2.8万円/kW減少しています。また、価格の安いメーカーを選ぶことで導入コストを下げることができます。
売電価格が下がっている
太陽光発電の売電価格は年々下がってきています。経済産業省資源エネルギー庁の資料によりますと、2021年度は19円/kWh、2022年度は17円/kWhとなっています。
ただし、売電価格が下がった最大の理由は、技術向上によって設置コストが安くなったこと。売電価格は太陽光発電の初期費用や維持管理にかかる費用をもとに、設置者が一定のメリットを得られるように計算されています。近年は、技術向上により初期の投資コストが下がっていますので、それに見合ったものと考えられます。
メンテナンスの手間がかかる
太陽光発電システムは設置した後も維持費が必要です。3~4年に1回程度定期点検が必要とされており、費用は約28,000円かかってきます。
パワーコンディショナーについても20年に1回は交換が必要で、交換費用は209,000円が平均値でした。総合的に考えると年間3,490円の維持費がかかる計算になります。できれば点検や交換代などの費用は積み立てておくのがよいでしょう。
まとめ
今回は、新築住宅に太陽光発電をつけるメリット・デメリットについてお伝えしました。地球環境に配慮したエネルギーシステムである太陽光発電、メリットとデメリットを知った上で検討したいですね。
自分ではよくわからないと思われる方は、太陽光発電システムに詳しいハウスメーカーもたくさんありますので住宅メーカー担当者に相談してみると良いでしょう。