新築住宅で施主支給をうまく活用する方法
念願のマイホームはこだわりたいもの。施工業者に要望を伝えたところ、希望する製品を扱っていないケースもあります。諦めきれなくて方法を探している人は、施主支給を活用してみるのはいかがでしょうか。
リスクはありますが、忠実に成し遂げられる人には向いている方法です。今回は施主支給のメリット・デメリットとうまく活用する方法を紹介します。
施主支給とは?
施主支給とは、新築住宅にとり入れる設備や建材などをお施主様が自ら発注・購入すること。取り付けは施工業者に頼むことがほとんどです。お施主様は支給した商品を、責任持って現場まで届ける義務があります。施主支給には、向き不向きの商品がいくつかあるので紹介しますね。
施主支給に向いている商品
値段が安く、取り付け作業も簡単な商品は施主支給にOKをもらえることが多いです。故障や不具合のリスクが少なく、施工ミスも少ないようなものです。
・タオル掛け
・トイレットペーパーホルダー
・カーテン
・IH、ガスコンロ
・照明
・室内干し竿
・手すり
・カップボード
・コンセントカバー
施主支給に向いていない商品
商品の価格が高く、取り付けの難易度も高い設備は施主支給はなかなか難しいでしょう。キッチンや洗面台などの水回り商品は、問題が起きた際のリスクが大きいため断られる可能性が高いです。希望の商品があれば、施工業者をとおして購入しましょう。
・システムキッチン
・ユニットバス
・洗面台
・トイレ
新築住宅で施主支給を活用するメリット
施主支給を活用するメリットは、商品が安く手に入ったり、こだわりのある品をとり入れられたりすることです。
商品が安く手に入る
最近では、インターネットやホームセンターで商品が安く購入できるようになりました。セールやポイントをうまく活用すれば、さらにお得に購入することも可能。
商品の状態に納得できるのであれば、中古品やアウトレット商品の活用もできます。商品の選択肢の幅が広がるのが、施主支給の大きなメリットでしょう。
こだわりの品をとり入れられる
施工業者では取り扱っていない、海外製品やハンドメイド作品をとり入れることも可能。自分好みの製品を思う存分選べるため、満足度アップにつながります。業者が提案する代換え品で納得できない人に施主支給は向いているでしょう。
また愛着はあるけど使わないタンスやドアなどの板を、キッチンカウンターにリメイクしてほしいなどの希望もあるでしょう。施工業者によっては叶えてくれる場合があります。リメイクしてほしいものはあれば、まずは相談してみましょう。
新築住宅で施主支給を活用するデメリット
好きな商品を選べる反面、費用やリスクがかかることも覚悟しておきましょう。施主支給を活用するにあたって起きるデメリットを紹介します。
施工費や人件費がかかる
施主支給は商品代が浮いても、取り付けは業者が行うので施工費や人件費がかかります。施主が購入した商品を現場に持っていくのではなく、直接現場に発送する場合は業者に受け取ってもらう必要がありますよね。その場合は別途受け取り料など発生する可能性があるため、よく相談してください。
製品の手配や調整に手間がかかる
商品の発注や購入はすべて施主サイドで行います。現場に届けるスケジュールの調整もしなければなりません。製品の現場入れ日時は必ず業者に確認しましょう。うまく連携がとれていないと、製品の置き場所がなかったり、工期が延長したりする可能性があります。
どうしても業者の希望する日時よりも早めになってしまう場合は「自宅で保管して当日自分で運ぶ」「倉庫を借りて保管する」などの手立ても考えなければなりません。
不具合やトラブル対応が大変
施主支給の場合、考えられるトラブルはさまざまあります。たとえばキッチンやユニットバスの納期が遅れてしまうと、工事に遅れやロスがでてしまいます。施主支給した商品に不具合があったとき、責任の所在がメーカー・施主・施工業者・配送業者のどこにあるのかも揉めがちです。少しでも節約したい一心で発注すると、業者にも迷惑がかかってしまうので注意しましょう。
住宅ローンの対象外になる可能性がある
施主支給で発生した費用は、基本的に住宅ローンを使えません。安く手に入るメリットもある施主支給ですが、ある程度手持ちのお金を用意しておく必要があります。
新築住宅で施主支給をうまく活用するには?
施主支給をうまく活用するには業者との連携が必要。まずは施主支給を活用したい旨を伝えて、許可をもらいましょう。許可が下りればミスが起こらないように念入りな打ち合わせを行います。
施工会社に施主支給の許可をもらう
施主支給をするなら、必ず施工会社の許可が必要です。施工会社によっては施主支給を断られる場合があるため、打ち合わせの段階で確認を取りましょう。
施主支給をしたい理由を伝えても交渉がうまくいかない場合は、諦めるか別の施工会社を探して相談してみるしか方法はありません。
事前に入念な打ち合わせを
冒頭で、施主支給に向いている商品を紹介しましたが、念のために依頼先の施工業者にひとつずつ確認をとってくださいね。特に設備を支給する場合は、寸法や必要備品の打ち合わせを念入りに行ってください。施工業者の代わりにメーカーに発注するため、設計書や仕様書もすべて施主サイドで用意します。
発注ミスを防ぐためには施工業者に揃えた資料の最終確認をしてもらうこと。発注ミスをすると、全体のスケジュールがズレたり人件費がかかってしまったりするので注意してくださいね。
まとめ
施主支給のメリットは、業者が取り扱っていない領域のものまで手に入ること。どうしても妥協できない商品があれば、施主支給を検討してみるのもいいでしょう。 ただし、自分で発注やスケジュール調整も行わなければならないので責任重大。手間がかかり、トラブルにつながることもあります。施主支給を活用する際は、施工業者とうまく連携しましょう。